リンパマッサージとはどのようはものなのでしょうか。リンパマッサージは健康にいいとか、痩せるとか言われていますが、実際に調べてみないとどんな効果があるのか不安ですよね。値段が高そうだし、痛そうだし…。興味はあるけど、まだ行ったことがない人が多いかもしれません。私もそうでしたが、百聞は一見にしかず。実際に施術を受けてきましたので、その感想や効果をお伝えしたいと思います!
そこで今回、この「リンパ」に着目し、リンパとはいったいどんなものなのか、リンパマッサージをすると何が良いのかを、リンパドレナージュのセラピスト 末永聖子さんにお聞きしました。
リンパとは何か
ーリンパマッサージでは、リンパを「流す」そうですね。リンパとは、そもそもどのようなものなのでしょうか
「リンパを流す」のリンパは、リンパ液のことを指します。リンパ液とは、血液の中にある血漿という成分でが静脈側で戻れなくなった分、血管から染み出て、全身に張り巡らされ、血管をとりまいているリンパ管に吸収されたものです。もともとは血液成分の一部だったんですね。
リンパ管に吸収されるとき、体内にある老廃物も一緒にとりこんで、約800あるといわれるリンパ節(リンパ管が集中している部分)でろ過していきます。ここでいう老廃物とは、がん細胞や細菌など、体に害を及ぼすものも含まれるので、リンパの流れは人体を守るためにたいへん役に立っているんですよ。
また、リンパ液の中にはリンパ球という白血球も存在し、体内に侵入してくる病原体に対する抗体を作ってくれます。心強いですね。
ーリンパの流れが悪くなるとどうなってしまうのでしょうか
血液は常に心臓から送られ続けるので循環し続けますが、リンパは筋肉の収縮と弛緩によって流れていきます。体を動かさないとどんどん流れが悪くなるんです。そうすると、さまざまな不調が体にあらわれてきます。頭痛、肩こり、内臓系の症状、子宮への影響など、症状はさまざまです。リンパの流れをないがしろにしていると、病気にも繋がるおそれがあるんですよ。
リンパマッサージの効果は想像以上!
ーリンパ液の流れが滞るとさまざまな不調が出てきてしまうことがわかりました。できるだけ流れを促進したいところですが、どのような方法が効果的でしょうか
一つは適度な運動です。筋肉の収縮と弛緩によって生みだされる流れは、体を動かしてつくってあげるのが良いでしょう。しかしそうはいっても、なかなか時間が作れない、デスクワークばかりで運動不足になる、疲労がたまる・・・・・・それが現実だと思います。
そこで有効なのが、リンパマッサージです。手でやさしく、流れにそってなでていくだけでリンパの流れがつくられていきます。強く押す必要はまったくありません。
数多く存在するリンパ節の中で、特に重要とされる6つの箇所があります。部位によって、効果も違います。それぞれ見ていきましょう。
①鎖骨リンパ節
鎖骨の上のくぼみのあたりにあります。全身のリンパ液を集め、静脈へと流していくこの重要な部位は、マッサージすると全身のリンパの流れを良くしてくれます。オールマイティに効くので、外せませんね。
②腋窩(えきか)リンパ節
脇の下のくぼみにあるリンパ節です。風邪菌やウイルスが入ったとき、真っ先に反応してくれる場所だといいます。ここのマッサージは、免疫力を高めてくれます。四十肩、五十肩の予防に効果的です。
③腹部リンパ節
おへその中心に集まっているリンパです。マッサージすると胃腸や内臓機能を改善できます。また腰回り、むくみにも効果的。時計回りにゆっくりとなでていきましょう。
④鼠径(そけい)リンパ節
太ももの付け根にあるリンパ節。座り続けたり立ち続けたりすることの影響が出やすい箇所です。マッサージすると冷えやむくみの改善になります。
⑤膝窩(しっか)リンパ節
膝の裏側にあるリンパ節。こちらも鼠径と同じで冷えやむくみに効きます。また関節痛、しびれの予防、改善にもなるので、こまめに流しましょう。
⑥頸部(けいぶ)リンパ節
首の側面にあるリンパです。顔から首に向かって流れていて、マッサージによって頭痛や顔のむくみを改善することができます。しかしこの部位は注意が必要です。
「首には頸動脈洞という神経のツボがあって、ここを左右同時に刺激すると、神経の過剰反応から、脈が遅くなり、心停止の危険がある」という情報が『ホンマでっか!?TV』で放送され、話題になりました。これを頸動脈洞反射といい、知識がないまま頸部に強い負荷をかけてしまうことへの注意喚起がなされました。また、首は全身の体調にかかわる自律神経と深く関係があるため、外部からの刺激が身体全体に影響を及ぼすこともあります。首は私達が思う以上に大事なところなのです。
でも怖がることはありません。左右同時に行わない、強く刺激しない、長時間やらない、ここは大事なところだというのを頭に置いておけば、安全にマッサージを行うことが可能です。
リンパマッサージを受けてみました!
リンパの大切さが理解できたところで、実際にリンパマッサージを受けてみました。“至高のボディチューニング”として、年齢・性別を問わず利用できる「フェイシャル」+「レギュラー」のコースにしました。痛くありませんでしたよ。むしろ、気持ちがいいです。「流してる!流してる!」そんな感じのマッサージでした。
●レギュラーコース
オールハンドで行う「健康と癒し」をテーマにした施術です。リンパを流すことで全身の免疫力が向上します。リラクゼーション効果に加え、疲労回復、若返り、病気の予防、美肌効果も期待できます。
●フェイシャルコース
顔のリンパが滞ることで、くすみやタルミの元になります。リンパの流れをスムーズにすることで溜まっていた余計なリンパ液が流れフェイスラインをすっきりさせます。重みが取れた結果、垂れてしまった部分が上がり、リフトアップも期待できます。
今回はお試しでしたので、値段は安かったのですが、通うとなるとそれなりにかかります。相場は全身コースで一回あたり7,000円前後、フェイシャルで4,000円前後となっています。
ただ、リンパマッサージは、顔など、自分でもできる箇所がありますので、家庭でトライしてみてもいいと思います。一度、サロンで受けてみて、リンパの位置や流す方向など学ぶといいですね。
また、男性でも施術可能なサロンもありますので、確認してみてください。カップルで行くのもアリだと思います。
副作用は?
リンパマッサージの施術後に、さまざまな不調が出ることがあります。お客さまの中にも、副作用では?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、リンパマッサージ施術後の不調の多くは「好転反応」と呼ばれるものです。
好転反応とは、治療によって体の状態が改善される過程で、一時的に体に表れる反応のことです。リンパマッサージによって血液やリンパの流れが促され、体の状態が上向いていく際にも好転反応が出ることがあります。なお、沈着して間もない毒素は早く排出され、体の深部にたまった古い毒素は後から出てきます。そのため、多くの毒素をため込んでいた方ほど好転反応が長く続きやすくなります。
好転反応は回復の兆し。副作用ではありませんので、しっかりと症状を理解しましょう。
《リンパマッサージ後に起こりやすい好転反応症状》
●体がだるくなる
リンパマッサージ後は滞っていた血液の流れがスムーズになり、細胞に栄養が行き渡りやすくなります。栄養が行き渡った神経細胞が正常に働き出す際は、体がだるくなることがあります。翌日ごろからだるさが現れることもあります。
●熱が出る
もともと低体温の方や、体内にウィルスがいる方に現れやすい好転反応です。
施術によって自然治癒力が高まり、体がウィルスと戦おうとすることによって熱が出ると言われています。
●尿の増加、臭いの強い便や尿
全身のリンパや血液の循環が良くなることによって老廃物や毒素の排泄機能が高まり、尿や便の量や状態に変化が現れることがあります。
●吹き出物や湿疹が出る
滞った老廃物が皮膚を通して排泄される際、吹き出物や湿疹が出ることがあります。皮膚から老廃物が出る過程でかゆみやじんましん、痛みを伴う場合もあるでしょう。
●頭痛
特に首のコリが強い方の場合は、頭への血流が急激に良くなることによって頭痛が起こる場合があります。
まとめ
リンパマッサージは健康だけでなく、ダイエットにも効果的!
私たちの体はまだわからないことだらけ。リンパマッサージを行なうときも、ただ揉めばいいというだけでなく、何をどのようにして、どれほど行えばいいのかということを調べることも大事だと思いました。リンパは血液と違ってポンプがなく自分の力で循環することができません。だからこそ、『揉みほぐす』『流す』といったマッサージが効果的なんですね。
詰まっていたリンパの渋滞を解消して、流れをスムーズにしてくれる。しかも、リンパを流すことによってセルライト(脂肪)もできにくくなり、代謝もよくなって見た目がスッキリするなんて、めちゃくちゃ嬉しいじゃないですか。
(左)before → (右)after
いかがでしたでしょうか。新しく始めることであれば、理解するまでは面倒なこともあるかもしれません。しかしそれが長きにわたり自分のためになることを思えば、日々の時間をちょっとだけ使ってみるのも悪くないのではないでしょうか。
《セラピスト》
末永聖子さん(wish エステピュアサロン代表)
ミスユニバースJAPAN専任講師
ミスユニバースビューティーキャンプ講師