間取り

後悔したくない!バリアフリー住宅で気をつけたいポイント

高齢者がいる家庭では、バリアフリー住宅を検討している方も多いと思います。バリアフリー住宅を建てる際のポイントは家の場所やつくりによっても異なり、すでに介護の必要な家族がいる場合は、その方にあったバリアフリー設備が必要です。

筆者の場合、高齢者がいるわけではありませんでしたが、寝たきりの子どもの介護のためにバリアフリー住宅をつくる必要がありました。つまり、道路から玄関、玄関から居間、浴室、寝室へとすべての部屋に車椅子で移動することになるわけです。そのための導線、スペースの確保、設備について入念に打ち合わせを重ね、3年の歳月を経て完成しました。

そこで今回は、筆者の経験をもとに、バリアフリー住宅を建てる際に気をつけたいポイントや、高齢者や介護者が快適に過ごせる家づくりのコツを紹介していきたいと思います。バリアフリー住宅に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

もっとも注意したい5つの場所とは

バリアフリー設備を導入する際は、家の場所ごとに使いやすい工夫が必要です。特に、利便性を高めたい5つの場所をもとに、バリアフリー住宅の一例を紹介します。

①バスルーム

まず、入浴時にどんな介助が必要になるのかがポイントです。
歩いて浴槽まで行ける場合は、足元の安全性を考え、出入口の段差をなくし、床材には滑りづらい材質を用いて転倒防止に努めなければなりません。

また、浴槽はまたぎやすい高さである40cm以下にとどめ、浴槽脇に手すりをつけておくと、安心です。身体を動かしづらい方もだんぜん入浴しやすくなります。そして、突然の体調変化に対応できるよう、緊急コールボタンを設置しておくといいですよ。

寝たきり状態の方がいる場合は、浴槽に電動でシートが昇降するバスリフトを導入するのもよいでしょう。コストはかかりますが重宝します。我が家ではこのようにしてバスリフトを設置しています。

 

脱衣スペースは車椅子や寝台も入れるような広さにしておきましょう。我が家ではトイレ、洗面所、洗濯機と同じ部屋にし、導線とスペースを確保しています。

②トイレ

1日に何度も利用するトイレは、利用しやすさが重要なポイントとなります。高齢者の方が主に過ごす居間の近くに設置するようにし、車椅子や介助者を含む2名が同時に入っても問題がないよう十分な広さを確保しておくとよいでしょう。

トイレの出入口は扉タイプではなく引き戸タイプだと開けやすく、出入口の段差もなくなり、足元の危険性を軽減することができます。手すりを設置する際は、出入口から便座に沿ってL字型に設置しておくと移動しやすいでしょう。水平手すりの高さは国の建築設計基準において、便器の座面から20~25cmが望ましいとされています。

③廊下

廊下の広さをのちのち変更するというのは厳しく、費用の負担も大きくなります。
車椅子がまっすぐに通過する際に必要とされる幅は、手動車椅子の場合、JIS規格によってその幅は70cm以下と決められているため、廊下幅は国の定める80cm以上となりますが、それだけではなく、転回するなど車椅子の操作を含めた幅が必要となります。

国土交通省が定めている建築設計基準によれば、手動車椅子の車輪中央を中心にした場合、180度転回するためには幅は140cm、奥行き170cm程度のスペースが必要です。また、360度転回するとなると150cm、角の部分も含めて考えなければなりません。これらの数値を考慮した廊下幅を確保しておきましょう。

実際に生活すると分かりますが、ギリギリで設計するといろんなところにぶつかります。転回よりも、90度回転する場所のスペースを確保しましょう。

また、廊下では、各部屋へ行きやすいように手すりを配置しておくのが理想です。ドアの前など、手すりが途切れてしまう箇所には、可動式の手すりで必要なときだけ利用できるようにしておくのもよいでしょう。廊下は移動する度に通る場所なので、人感センサーを搭載したライトを設置しておけば、いちいち電気を消さずに済むうえ、安全面を確保できます。

介護をすると分かりますが、人感センサーライトはかなり助かります。一人で夜中にトイレに行くような場合はやっぱりあったほうがいいですね。

④玄関

玄関はなるべく段差を低くしたり、スロープを設置したりと、なるべく足を上げずに室内に入れるよう、高低差をなくす工夫を行いましょう。靴の着脱を自身で行う方のために、手すりを設置するのも1つの手です。また、車椅子の方がいる場合は、車椅子が通りやすいよう玄関の間口を90cm以上とっておくことも大切です。その場合、ドアは引き戸がベストです。玄関のカギもスマートキーにしておくと、利便性が格段に違います。「鍵を鞄から探して、挿し込んで開ける」という手間を省くだけでもずいぶん楽になります。

⑤階段

階段には手すりを設置し、階段の表面には滑りにくい仕上げを施し、段差が識別しやすいよう色の差や目印をつけておくなど、上り下りがしやすい環境を整えましょう。

回り階段は上りづらく感じてしまうので、なるべく直線の階段にし、スキップフロアなどを用いて階段の長さを短めに抑えるなどの工夫を行うと、高齢者の方にも配慮した階段になります。しかし、安全性を考慮し、できれば階段は避けたいものですね。

 

平屋と2階建て、高齢者が過ごしやすいポイントとは

高齢者の方が快適に過ごしやすい住宅をつくるために、平屋と2階建てのそれぞれで注目したいポイントを紹介します。

平屋

平屋は階段がなく、移動しやすいため、バリアフリー住宅づくりにも向いているでしょう。行き止まりのない動線を基本に、不要な段差をなくすことが第一です。

さらに、リビングやダイニングに和室を設置して小上がりの場所をつくれば、疲れたときにすぐに腰掛けられる休憩スペースになり、床下は十分な収納スペースとしても活用できます。

2階建て住宅に比べると平屋はワンフロアであるため、二世帯住宅にするには個人スペースが分けづらいと思われることもありますが、玄関を家の中心として設け、左側を親世帯、右側を子世帯と区切ると、生活空間を分けることができます。

2階建て

2階建て住宅の場合、それぞれの階で世帯を分けることができるため、二世帯それぞれの生活空間を設けやすくなります。1階部分を親世帯または高齢者の居間として活用すると、階段の上り下りによる疲労やケガの心配も少なくなります。

高齢者が2階を利用する場合は、家庭用エレベーターを設置することもできますが、当然コストはかかります。設置費用だけでも約300万円、その他にもメンテナンス費用がかかります。筆者の場合、土地の広さや陽当たりを考えて、2階リビング案を検討しましたが、エレベーター設置が現実的ではなく、コスト面からも泣く泣く断念しました。

まとめ

いかがでしたか?
今は必要がなくても、のちのちバリアフリー設備を導入することになっても問題がないようにしておきたいですよね。そのため、各スペースを十分に確保しておくなど、リフォームとなると高額になりやすい場所の工事を優先的に行い、バリアフリー設備を導入する際にも優先順位を立てておきましょう。

バリアフリー住宅=手すりやスロープをつけて段差をなくせばよい、というものではありません。実際にご自身で車椅子乗って、玄関から入り、各部屋へ移動してみてください。また、介助する人も同じように車椅子を押しながら移動してみてください。

電気などの「スイッチの位置」一つとっても、いかに細やかな設計が各部屋に必要になってくるかが想像できるかと思います。大変に思うかもしれませんが、だからこそ、注文住宅の出番なんです。家族全員の夢やワガママ、希望を叶えることは十分可能です。

あなたも、おシャレで素敵なバリアフリー住宅を建ててみませんか?

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